亡くなった方が持っていた株を放置するとどうなるか
1 株式の取得を会社に対抗するには名義変更が必要
株式を取得すると、株主としての権利を行使できます。
ここで株主としての権利とは、株主総会での議決権の行使や、株主に対して配当がされたときにそれを受け取る権利等を言います。
これらの権利を行使するためには、会社に対して株主であることを主張できなければなりません。
このような会社に対して株主であることを認めさせるための要件が対抗要件であり、会社法130条1項は、株主名簿の名義変更が会社及び株券発行会社の場合を除いた第三者(130条2項)に対抗する要件である旨規定しています。
2 株主が亡くなった場合
株主が亡くなった場合、株式は一身専属的な性質を有する財産ではないので、その株式は相続人に引き継がれます(民法895条)。
遺言や遺産分割協議で承継者が確定していれば、相続した人が株式を取得し、まだ確定していないときは確定するまでの間相続人全員で準共有することになります。
しかし、準共有になっても、相続人は持分に応じて株主の権利を行使できるわけではありません(会社法106条)。
共有者は、権利行使をするもの1人を定めて会社に通知するか、会社が同意しない限り権利を行使することができません。
結局、株主が亡くなった後、何もせず放置すると、株主としての権利を行使できないことになります。
3 相続財産の株式をそのまま放置してしまった場合の不利益
前述のとおり、亡くなった方の株を放置してしまうとその間株主としての権利を行使できないこととなります。
では、株主としての権利を行使できないことにより、具体的にはどのような不利益が生じるのですしょうか。
まず、その間は議決権の行使ができないことになります。
したがって、この間に何らかの決議がなされても遡って決議に影響を及ぼすことはできないことになります。
また、この間に配当金があった場合、後から手続きすることにより受け取ることは原則可能ですが、各会社により民法の時効よりも短い除籍期間が定款で定められている場合が多くあります。
この期間を経過してしまうと取得できるはずだった配当金を受け取れないことになります。
さらに、会社は株主が5年以上継続して所在不明の場合は、競売など一定の方法で売却、あるいは一定に事項を定めた上で買取をすることができます(会社法197条1項ないし5項)。
この場合の対価は原則受け取ることができますが、調査をしても相続人不明の場合は最終的には国庫に帰属することになります。
そのほか、株式の相続について相続税を払っていない状況が継続してしまうと、加算税、延滞税が課される可能性があります。
以上のように、亡くなった方が持っていた株を放置しておくと、様々な不利益が発生する可能性があるので、注意する必要があります。
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